​6人の女たちが奏でる不安と連帯のハーモニー

　初めてこの戯曲を読んだ時、余りにも日本に似ていて驚いた。太平洋を隔てた遠い国の話のはずなのに、まるで自分の母、祖母たちの思い出話を聞いているような不思議な感覚を覚えたのだ。戦時下の庶民たちは、不安と希望のはざまで、泣いたり笑ったり、助け合ったりいがみ合ったり。ほぉ…カナダにも日本の「国防婦人会」に類するものがあったのか、などなど、さまざまな思いがこみあげてきた。生まれ育った土地が違っても、銃後の女（という表現にはいささか抵抗はありますが…）たちのやることは、そうは変わらないのだろうか。

　最近のこと。某人気ハリウッド俳優の戦闘機アクション映画を観に行った恋人たち。男が涙を流していた隣でカノジョは寝ていた、なんて話を聞いた。正直、「男のロマン」なんてクダラナイ、と思ったりする。戦闘機というものが、世界各国で無用の長物になれば、どんなに素敵なことだろう。戦争に勝者も敗者もない。あとに残るのは、悲しみと虚しさだけなのである。

　本番まであと3か月ありますが、すでに6人の女優たちは、蒸し暑い陽気にもめげず、汗だくだくで、歌ったり踊ったりの稽古に励んでおります。彼女たちが力強く躍動する姿をぜひご覧いただき、プーさんの横っ面を張り飛ばしたい気分になっていただけたら幸いです。